○松前町職員分限処分取扱規則
平成22年3月31日
規則第11号
(趣旨)
第1条 この規則は、勤務実績の不良等が認められる職員に対して、地方公務員法(昭和25年法律第261号。以下「法」という。)第28条第1項の規定に基づく免職又は降任(以下「分限処分」という。)を行う場合の具体的な手続、判断基準等について、別に定めるもののほか、必要な事項を定めるものとする。
(1) 勤務実績不良職員 担当すべきものとして割り当てられた職務(以下「担当業務」という。)を遂行してその職責を果たすべきであるにもかかわらず、その実績が不十分な職員(出勤状況又は勤務状況が不良な職員を含む。)
(2) 適格性欠如職員 簡単に矯正することのできない持続性を有する素質、能力、性格等に起因してその職務の円滑な遂行に支障がある、又は支障が生ずる高度の蓋然性が認められる職員
(3) 心身の故障職員 将来回復の可能性のない、又は分限休職の期間中には回復の見込みの乏しい長期の療養を要する疾病のため、職務の遂行に支障がある、又はこれに堪えられない職員
(4) 受診命令違反職員 病気休職の期間が満了するため、又は勤務実績不良若しくは適格性欠如の状態が心身の故障に起因することが疑われるため、医師の診断を受けることを命令したにもかかわらず、これに従わない職員
(5) 行方不明職員 原則として1月以上にわたり行方不明(意図的に継続して無断で欠勤するなど懲戒事由に該当することが明らかな場合又は水難、火災その他の災害によることが明らかな場合を除く。)の職員
(所属長及び人事担当課長の役割)
第3条 対象職員が所属する課の長(以下「所属長」という。)及び人事担当課長は、共に連携をとり協力しながら、対象職員への対応について適切に取り組むものとする。
2 所属長は、次の役割を担うものとする。
(1) 対象職員の勤務実績の改善を図るため又は問題行動を是正させるための注意及び指導の実施
(2) 対象職員の担当業務の研修等の実施
(3) 対象職員の勤務実績の不良等の状況及び問題行動並びに注意、指導等の状況に関する記録及び資料の収集
(4) 医師への受診の勧奨等、対象職員の健康の保持又は増進及び心身の安全確保
(5) 人事担当課長への対象職員に関する状況の報告
3 人事担当課長は、次の役割を担うものとする。
(1) 対象職員の状況の把握
(2) 所属長が行う対象職員への指導、研修等に対する助言及び支援
(3) 対象職員に対する面談、指導、研修等の実施
(4) 対象職員の上司等に対する面談及び指導の実施
(5) 対象職員への警告書又は受診命令書の交付
(6) 対象職員に対する分限処分の検討
(1) 所属長は、勤務実績不良等職員に対し、勤務実績等の改善を図るため又は問題行動を是正させるための注意又は指導を繰り返し行うとともに、必要に応じて、勤務実績不良等職員の研修を行うなどして、勤務実績不良等の状態が改善されるよう務めなければならない。
(2) 所属長は、勤務実績不良等職員の勤務実績不良等の状況、問題行動、注意又は指導、研修等の状況について、記録及び資料の収集を行うものとする。
(3) 人事担当課長は、所属長が行う勤務実績不良等職員への指導、研修等に対する助言及び支援を行うものとし、必要に応じて、勤務実績不良等職員、その上司等に対して面談を実施するものとする。
3 人事担当課長は、所属長から報告のあった勤務実績不良等職員に対して、その上司等の立会いのもと面談を実施し、勤務実績不良等の内容を確認するものとする。
2 前項の規定により警告書を交付した場合は、勤務実績不良等職員に書面により弁明する機会を与えなければならない。
3 勤務実績不良等職員の勤務実績不良等の状態が心身の故障に起因することが疑われる場合、人事担当課長は医師の診断を受けることを促すものとする。この場合において、勤務実績不良等職員がこれに従わなかったときは、受診命令書(様式第3号)を交付して受診を命ずるものとする。
第6条 所属長は、警告書の交付を受けた職員のその後の勤務状況等を記録し、現況報告書により人事担当課長に報告するものとする。
(心身の故障職員への対応)
第7条 第2条第1項第3号に該当すると認められる心身の故障職員への対応は、次のとおりとする。
(1) 人事担当課長は、職員の病気休職期間が2年を超えた場合又は病気休職から復職後、1年以内に再度の病気休職(前回の病気休職と心身の故障の内容が明らかに異なる場合を除く。)となり、その休職期間が通算して2年を超えた場合には、心身の故障職員に対して、随時、その上司等の立会いのもと面談を実施するなどにより、心身の故障の状況を確認しなければならない。
(2) 人事担当課長は、前号の規定による面談を実施し、心身の故障職員に対して、法第28条第1項第2号に該当するか否かを判断するため、医師2名を指定して受診を促すものとする。この場合において、心身の故障職員がこれに従わなかったときは、受診命令書を交付して受診を命ずるものとする。
(3) 人事担当課長は、指定した医師2名により、将来回復の可能性のない、又は病気休職の期間中には回復の見込みが乏しく長期の療養を要する疾病のため職務の遂行に支障がある、若しくは堪えられないと診断された場合には、分限処分の可否について審査委員会の審査に付すものとする。
(行方不明職員への対応)
第9条 所属長は、職員が行方不明となった場合は、人事担当課長に直ちに報告しなければならない。
2 人事担当課長は、当該職員が行方不明となった日から1月を経過した場合には、分限処分の可否について審査委員会の審査に付するものとする。
(審査委員会)
第10条 対象職員の分限処分に対する措置に関して、必要な事項の調査、審議及び判定を行うため、審査委員会を置く。
第11条 審査委員会は、副町長、人事担当部長及び人事担当課長並びに当該職員の所属部(局)長及び所属長をもって構成する。
2 委員長は、副町長をもって充てる。
3 委員長に事故があるときは、人事担当部長がその職務を代理する。
第12条 審査委員会は、委員長が招集する。
2 委員長は、会議の議長となる。
3 審査委員会は、委員の過半数が出席しなければ、会議を開くことができない。
4 委員長は、必要があると認めるときは、委員以外の者を会議に出席させ、意見の陳述、説明その他必要な協力を求めることができる。
(分限処分の決定)
第13条 この規則に基づく分限処分については、審査委員会における審査を経て、町長が決定するものとする。
(委任)
第14条 この規則に定めるもののほか、必要な事項は町長が定める。
附則
この規則は、平成22年4月1日から施行する。
附則(平成27年9月1日規則第32号)
この規則は、公布の日から施行する。
附則(平成27年10月19日規則第35号)
この規則は、公布の日から施行する。
附則(平成28年3月29日規則第7号)抄
(施行期日)
1 この規則は、平成28年4月1日から施行する。
附則(令和3年3月31日規則第5号)抄
(施行期日)
1 この規則は、令和3年4月1日から施行する。
附則(令和6年9月27日規則第30号)抄
1 この規則は、公布の日から施行する。
別表1(第2条関係)
1 勤務実績不良の場合 | |
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| ア 初歩的な業務上のミスを繰り返し、又は業務の成果物若しくは処理数が職員の一般的な水準に比べて著しく劣る。 |
イ 所定の業務の処理手続を無視し、又は上司への報告、相談等を怠るなどして、独断で業務を行う。 | |
ウ 業務を一人で処理することができず、常に上司、他の職員等の支援を要する。 | |
エ 所定の業務に係る処理の期限を守らず、又は正当な理由なくその業務を行わない。 | |
オ 正当な理由なく、上司の指導又は職務命令に従わない。 | |
カ 勤務時間中、頻繁に無断で自席を離れ、又は業務に関係しない電話、電子メール又はインターネットに興じるなどして職務に専念しない。 | |
キ 事前に年次休暇等を申請せずに欠勤を繰り返し、業務に著しい支障を及ぼす。 | |
ク 人事評価において、2年連続最低ランクの評価となるなど、勤務実績が著しく悪い。 | |
ケ 心身の故障による休職から復職したにもかかわらず、出勤状況又は勤務実績が改善しない。 | |
コ その他、勤務実績不良等が認められる。 | |
2 適格性欠如の場合 | |
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| ア 上司や他の職員等に対する暴力、暴言、ひぼう又は中傷を繰り返す。 |
イ 協調性に欠け、上司や他の職員等ともめごとを繰り返す。 | |
ウ 粗暴な言動等により住民ともめごとを繰り返す。 | |
エ 公務員に必要な適格性に疑問を抱かせるような問題行動を繰り返す。 | |
3 心身の故障の場合 | |
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| ア 3年間の病気休職の期間が満了するにもかかわらず、病状が回復せず、今後も職務の遂行に支障がある。 |
イ 病気休職中であるが、今後回復して就労が可能となる見込みがない。 | |
ウ 心身の故障のため、3年以上にわたって病気休暇や病気休職と短期期間の出勤を繰り返す。 | |
エ 病気休職から復職後、1年以内に再度の病気休職(心身の故障の内容が明らかに異なる場合を除く。)となり、休職期間が通算して3年に至るにもかかわらず、病状が回復せず、今後も職務の遂行に支障がある。 |