○松前町手話言語の普及及び障がいの特性に応じた意思疎通手段の利用の促進に関する条例
令和8年9月29日
条例第21号
手話は、手指の動き、表情その他の視覚的表現を用いて意思を伝え合う独自の言語であり、ろう者をはじめとする多くの人々にとって日常生活や社会生活を営む上で欠くことのできない意思疎通の手段として受け継がれ、育まれてきた。また、要約筆記、点字、点訳、拡大文字、音訳その他の障がいの特性に応じた意思疎通手段は、障がいを有する者が社会に参加し、相互に理解を深めるために重要な役割を果たしている。
しかしながら、手話をはじめとする多様な意思疎通手段に対する理解や環境の整備は十分とは言えず、必要な情報を取得する機会や意思を表明する機会が制約され、行政、防災、医療、教育、地域活動等の様々な場面において、不安や困難を抱える状況が続いてきた。
このような状況を解消し、障がいを有する者が地域で安心して日常生活や社会生活を営み、他者と円滑に意思疎通を図ることができるよう、障がいの特性に応じた多様な意思疎通手段を確保することが喫緊の課題となっている。
さらに、デジタル化の進展に伴い、誰もが必要な情報を等しく取得し、自らの意思を円滑に伝えることができる情報利用環境を整備することが地域社会における重要な責務となっている。
このため、本町は、手話言語の普及及び障がいの特性に応じた意思疎通手段の利用を促進することを決意し、この条例を制定する。
(目的)
第1条 この条例は、手話言語の普及及び障がいの特性に応じた多様な意思疎通手段の利用の促進に関し、基本理念を定め、町の責務並びに事業者及び町民の役割を明らかにするとともに、町が推進する施策を定めることにより、全ての町民が障がいの有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に資することを目的とする。
(1) 障がいを有する者 障がい又は社会的障壁(日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のものをいう。)により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にある者をいう。
(2) 意思疎通手段 手話、要約筆記、点字、点訳、拡大文字、音訳、指点字、触手話、人工喉頭発声、筆談、代筆、代読、平易な表現、実物又は絵図の提示、字幕、重度障害者用意思伝達装置その他の障がいを有する者とその他の者の意思疎通の手段をいう。
(基本理念)
第3条 手話言語の普及は、手話が独自の文法の体系を持つ言語であるという認識の下、手話言語を必要とする者及び手話言語を使用する者の意思を尊重するとともに、将来世代へ手話言語の継承を図るものでなければならない。
2 障がいの特性に応じた意思疎通手段の利用の促進は、意思疎通手段についての選択の機会の拡大が図られることが重要であるとの認識の下、障がいの特性に応じた意思疎通手段により情報を取得でき、及び利用できることを基本として、行わなければならない。
(町の責務)
第4条 町は、前条の基本理念にのっとり、手話言語の普及及び障がいの特性に応じた意思疎通手段の利用の促進を行うために必要な施策を総合的かつ計画的に推進するものとする。
2 町は、前項に規定する施策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。
(事業者の役割)
第5条 事業者は、基本理念に対する理解を深め、町が実施する施策に協力するよう努めるものとする。
2 事業者は、事業を行うに当たり、障がいを有する者が障がいの特性に応じた意思疎通手段を利用しやすい環境の整備に努めるものとする。
(町民の理解及び協力)
第6条 町民は、基本理念に対する理解を深め、町が実施する施策に協力するよう努めるものとする。
(施策の推進)
第7条 町は、基本理念に基づき、次に掲げる施策を推進するものとする。
(1) 手話言語の普及の促進
(2) 障がいの特性に応じた意思疎通手段の利用の促進
(3) 障がいの特性に応じた意思疎通手段を利用することができる機会の拡充
(4) 障がいの特性に応じた意思疎通手段を学ぶ機会の提供
(5) 手話通訳、要約筆記、盲ろう者向けの通訳若しくは介助、失語症者向けの意思疎通の支援、点訳、音訳、代筆又は代読を行う者その他の障がいを有する者とその他の者の意思疎通の支援を行う者の確保、養成、派遣及び資質の向上
(6) 災害その他緊急時において、障がいを有する者が迅速かつ的確に情報を取得し、意思疎通を行うために必要な支援
(7) 障がいを有する者が働きやすい環境を整備するための取組に対する支援
2 町は、前項の規定による施策の推進について、障がいを有する者その他の関係者の意見を聴き、その意見を尊重するよう努めるものとする。
附則
この条例は、公布の日から施行する。