令和6年度施策方針

1「安全・安心な生活環境づくり」

　まず、第3分団消防詰所の建設に向けた準備など消防団活動の拠点整備を進めるほか、小型動力ポンプやポンプ積載車などの更新を行い、消防団設備の充実強化を図ります。

　次に、防災・減災の促進のため、自衛隊ＯＢを新たに危機管理担当者として雇用し、防災体制の強化を図ります。また、災害用備蓄品として必要となる物資などを整備し、町内各所の避難所への分散備蓄を進めるほか、地域や組織での防災活動の中核となる防災士の養成にも引き続き取り組み、地域防災力の向上を図ります。また、浸水被害の軽減を図るため、筒井地区雨水対策として貯留施設の整備工事や幹線排水路の改修工事を行うほか、塩屋地区雨水対策として排水機場の建設工事を行います。

　防犯・交通安全の充実のため、運転免許自主返納者のうち希望する方に対して公共交通機関の乗車券等を交付し、高齢者が運転免許を自主返納しやすい環境を整備することにより、高齢運転者による交通事故の抑制を図ります。

　循環型社会形成の推進のため、収集、運搬、処理を適正に実施しながら、指定ごみ袋の利用や分別を一層徹底するとともに、リサイクルの推進による資源の再利用を図り、ごみの減量化を促進します。また、伊予地区清掃センターについて、運営に係る費用のほかに、松山市へのごみ処理委託に必要な費用を負担します。

　コミュニティの育成のため、各地域の集会所の整備に係る費用の一部を助成することにより、地域コミュニティの活性化を図ります。
　そのほか、伊予地区広域斎場について、運営及び改築に係る費用を負担します。

2「笑顔で暮らせる健康づくり」

　まず、地域福祉の充実を図るため、高齢者の福祉、障がい者の福祉、児童の福祉、その他の福祉に関して一体的にまとめた計画である地域福祉計画を令和7年度に策定します。その準備として、令和6年度は、アンケート調査、住民座談会や関係団体に対するヒアリングを実施します。

　福祉事業における連携や事務の効率化を図るため、総合福祉施設である福祉センターについて、引き続き社会福祉協議会を指定管理者として運営を行うとともに、社会福祉協議会に対する運営補助を行い、官民が連携、協力することで地域福祉の増進を図ります。

　高齢者支援の充実のため、75歳以上の高齢者を対象に敬老事業を実施する行政区や町内会などに対して補助金を交付し、敬老に対する関心と理解の向上を図ります。また、伊予市・伊予郡養護老人ホーム組合和楽園の運営経費を負担するとともに、在宅において養護を受けることが困難な高齢者に対し、適切な施設への入所措置を実施します。

　障がい者支援の充実のため、障がいの除去、軽減に必要な医療の給付を行うとともに、障がい者や障がい児が社会の一員として生活が送れるよう自立支援給付などの事業を行うほか、重度心身障がい者の生活の安定と福祉の増進のため、医療費の自己負担分を助成します。また、発達障がい児やその家族に対する支援として、発達障がい児の保護者同士の相談の場を設けることにより、子どもの発達に不安を抱える保護者の不安の解消を図ります。

　子育て支援の充実のため、第2子以降の保育料無償化を開始するとともに、認可外保育施設を利用している場合についても、第2子以降の保育料に対する補助金を交付する制度を新たに設けることにより、子どもを生み育てやすい環境の整備を図ります。また、第2子以降としている紙おむつの購入に係る経済的支援の対象者を第1子からに拡大します。

　待機児童の解消のため、保育士の登録サイトを利用し登録している保育士に直接アプローチを行い、公立保育所の保育士を確保します。そのほか、子ども医療費助成については、義務教育終了までとしている助成対象者を令和6年4月診療分から18歳の年度末までに拡大します。

　健康づくりの推進のため、生活習慣病予防に関する健康教育や健康相談を実施し、町民が主体的に行う健康づくりの取組を総合的に支援するほか、小・中学生を対象にこころの健康講座を実施し、若年者の自殺対策に取り組みます。また、保健指導に活用するＩＣＴ機器を新たに導入し、幅広いニーズへの対応に努めます。

　社会保障を充実させるため、介護保険特別会計、国民健康保険特別会計及び後期高齢者医療特別会計に対して繰出金を支出し、社会保障を担う特別会計の財政基盤の安定化を図ります。

3「豊かな心を育む人づくり」

　まず、学校教育の充実を図るため、障がいや特性のある児童生徒等の学校生活における安全の確保と、円滑な学校生活への適応を図るため、学校生活支援員を配置します。

　不登校児童生徒の支援として、町内中学校1校に専用の部屋と支援員を設置することにより、学級に入りづらい児童生徒が安心して過ごせる環境づくりに努めます。また、老朽化した北伊予小学校の校舎の長寿命化のための改修工事に向けた事前調査を実施するほか、松前幼稚園について、令和7年度の幼稚園型認定こども園への移行に向けた整備工事を行います。

　そのほか、学校給食の食材の質や栄養価を維持するため、食料品の価格高騰により学校給食の食材調達に苦慮している松前町学校給食会に対して、引き続き給食食材費の支援を実施します。

　生涯学習の推進のため、拠点となる文化センターについて引き続き指定管理による運営を行うとともに、老朽化した施設の改修工事を行います。

　スポーツの振興では、ホッケーを通じたまちづくりを推進するため、引き続き大会や合宿等の誘致活動を積極的に行うとともに、初心者から経験者までホッケーに親しんでもらうためのホッケー教室の開催や中学生の交流大会を開催します。また、町民が手軽に参加し、中高年の健康増進にもつながる松前町オリジナルのレクリエーション型のホッケー競技「エンジョイホッケー大会」を開催します。

 

 

 

4「活力あふれるにぎわいづくり」

　まず、農業生産基盤整備の推進のため、老朽化した揚水施設や水路など土地改良施設の改修を行うことで、労力の軽減や維持管理に係る経費を削減します。また、農業の振興のため、農地の畦畔の除去に要する経費の一部を助成することにより農地集積・集約化の推進を図り、効率的な土地利用による農業経営の拡大を支援します。

　商工業の振興では、松前町の産業を支える事業者や関係団体が一堂に会し、物産品や生産品の販売などを通じて町内外にＰＲを行うための産業まつりを実施します。観光・交流機能の創出では、松前町の活性化と町民の活力増進を図るための夏祭りにおいて、新たなにぎわいを創出する取組を支援します。また、松前町の偉人である義農作兵衛を顕彰し、町の知名度やイメージの向上を図るための義農大賞事業について、松前町義農大賞実行委員会が開催する義農大賞表彰イベントに要する経費を負担するほか、松前町観光協会の運営等に要する経費の一部を支援することにより観光・交流を推進します。

　そのほか、雇用・就労環境の整備のため、条例に基づき東レに対して工場等設置奨励金を交付します。

 

5「快適で暮らしやすい基盤づくり」

　まず、上・下水道の整備のため、水道事業及び下水道事業に対して繰出金を支出します。また、本村地区の円滑な排水機能を確保するため、排水路の護岸改修に向けた設計を行います。生活環境の保全と公衆衛生の向上を図るため、新築住宅に係る浄化槽設置に対する補助金の交付を再開します。

　市街地の整備では、伊予鉄道松前駅前広場の整備に向けて、必要となる用地を購入します。

　住宅施策の推進のため、町が耐震診断技術者を派遣し、耐震診断や設計を行うとともに、所有者が自ら実施した耐震診断、耐震設計、耐震工事及び工事監理に関して費用を助成し、既存の木造住宅の耐震化を促進します。また、経年劣化している江川住宅1棟及び2棟の外壁改修工事を行います。

　そのほか、空家対策を推進するため、特定空家等の認定を行うための詳細調査を実施します。

　道路・交通網の充実では、町内を巡回しているコミュニティバスの運行に対して支援します。また、南黒田工業団地までのアクセス道路を整備するため、町道東181号線等の測量設計を行うほか、道路環境を改善し交通の安全を確保するため、老朽化が著しい町道について、安全かつ快適に利用できるよう計画的に維持・管理を行います。

　持続可能な自治体運営では、令和元年度に策定した第5次松前町総合計画の基本計画の見直しを行い、後期計画を策定します。職員の勤務時間の適正管理及び時間外勤務命令、休暇申請等の業務効率化を図るための新たなシステムを導入するほか、起案文書の決裁から文書管理までの一連の事務をデジタルで完結させるためのシステムも新たに導入します。また、議事録作成システムを新たに導入することにより更なる業務効率化を図るほか、県及び県内市町と連携して自治体用チャットツールや電子申請システムの共同調達を行うなど、引き続き「チーム愛媛」で行政のＤＸを推進します。