○松前町職員倫理条例

令和2年6月25日

条例第19号

(目的)

第1条 この条例は、職員の倫理の保持に関し必要な事項を定めることにより、職務の執行の公正さに対する町民の疑惑や不信を招くような行為の防止を図り、もって公務に対する町民の信頼を確保することを目的とする。

(定義等)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 職員 地方公務員法(昭和25年法律第261号)第3条第2項に規定する一般職に属する職員をいう。

(2) 事業者等 法人その他の団体及びそれらの利益のためにする行為を行う場合におけるそれらの役員、従業員、代理人その他の者並びに事業を行う個人(当該事業の利益のためにする行為を行う場合における個人に限る。)をいう。

(3) 利害関係者 職員が職務として携わる次に掲げる事務の区分に応じ、それぞれ次に定める者をいう。ただし、職員の職務との利害関係が潜在的なものにとどまる者又は職員の裁量の余地が少ない職務に関する者として町長が定める者を除く。

 許認可等(行政手続法(平成5年法律第88号。以下「手続法」という。)第2条第3号に規定する許認可等をいう。)をする事務

当該許認可等を受けて事業を行っている事業者等、当該許認可等の申請をしている事業者等又は個人(事業者等に該当する者を除く。以下「特定個人」という。)及び当該許認可等の申請をしようとしていることが明らかである事業者等又は特定個人

 補助金等(町が町以外の者に対して交付する補助金、負担金、利子補給金その他相当の反対給付を受けない給付金をいう。)を交付する事務 当該補助金等の交付を受けて当該交付の対象となる事務又は事業を行っている事業者等又は特定個人、当該補助金等の交付の申請をしている事業者等又は特定個人及び当該補助金等の交付の申請をしようとしていることが明らかである事業者等又は特定個人

 立入検査又は監査(法令(手続法第2条第1号に規定する法令をいう。以下同じ。)の規定に基づき行われるものに限る。)をする事務 当該立入検査又は監査を受ける事業者等又は特定個人

 不利益処分(手続法第2条第4号に規定する不利益処分をいう。)をする事務 当該不利益処分をしようとする場合における当該不利益処分の名宛人となるべき事業者等又は特定個人

 行政指導(手続法第2条第6号に規定する行政指導をいう。)をする事務 当該行政指導により現に一定の作為又は不作為を求められている事業者等又は特定個人

 町が所掌する事務のうち営利を目的とする事業の発達、改善及び調整に関する事務(からまでに掲げる事務を除く。) 当該事業を行っている事業者等

 契約(地方自治法(昭和22年法律第67号)第234条第1項に規定する契約をいう。)に関する事務 当該契約を締結している事業者等又は特定個人、当該契約の申込みをしている事業者等又は特定個人及び当該契約の申込みをしようとしていることが明らかである事業者等又は特定個人

2 職員に異動があった場合において、当該異動前の職に係る当該職員の利害関係者であった者が、異動後引き続き当該職に係る他の職員の利害関係者であるときは、当該利害関係者であった者は、当該異動の日から起算して3年間(当該期間内に、当該利害関係者であった者が当該職に係る他の職員の利害関係者でなくなったときは、その日までの間)は、当該異動があった職員の利害関係者であるものとみなす。

3 他の職員の利害関係者が、職員をしてその職に基づく影響力を当該他の職員に行使させることにより自己の利益を図るためその職員と接触していることが明らかな場合においては、当該他の職員の利害関係者は、その職員の利害関係者であるものとみなす。

(倫理原則)

第3条 職員は、町民全体の奉仕者であって一部の奉仕者ではないことを自覚し、職務上知り得た情報について町民の一部に対してのみ有利な取扱いをする等の不当な取扱いをしてはならず、常に公正な職務の執行に当たらなければならない。

2 職員は、常に公私の別を明らかにし、いやしくもその職務及び地位を自ら及び自らの属する組織のための私的利益のために用いてはならない。

3 職員は、法令により与えられた権限の行使に当たっては、町民の疑惑や不信を招くような行為をしてはならない。

4 職員は、勤務時間外においても、自らの行動が公務の信用に影響を与えることを常に認識して行動しなければならない。

(禁止行為)

第4条 職員は、次に掲げる行為を行ってはならない。

(1) 利害関係者から金銭、物品又は不動産の贈与(せん別、祝儀、香典又は供花その他これらに類するものとしてされるものを含む。)を受けること。

(2) 利害関係者から金銭の貸付け(業として行われる金銭の貸付けにあっては、無利子のもの又は利子の利率が著しく低いものに限る。)を受けること。

(3) 利害関係者から又は利害関係者の負担により、無償で物品又は不動産の貸付けを受けること。

(4) 利害関係者から又は利害関係者の負担により、無償で役務の提供を受けること。

(5) 利害関係者から未公開株式(金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第16項に規定する金融商品取引所に上場されておらず、かつ、同法第67条の11第1項の店頭売買有価証券登録原簿に登録されていない株式をいう。)を譲り受けること。

(6) 利害関係者から供応接待を受けること。

(7) 利害関係者と共に遊技又はゴルフをすること。

(8) 利害関係者と共に旅行(公務のための旅行を除く。)をすること。

(9) 利害関係者を保証人とする金銭の借入れ又は不動産の賃借等を行うこと。

(10) 利害関係者から私的利益のために有利な情報の提供を受けること。

(11) 利害関係者から職員の親族の就職についてあっせんを受けること。

(12) 利害関係者をして、第三者に対し前各号に掲げる行為をさせること。

2 前項の規定にかかわらず、職員は、次に掲げる行為を行うことができる。

(1) 利害関係者から宣伝用物品又は記念品であって広く一般に配布するためのものの贈与を受けること。

(2) 多数の者が出席するパーティー(簡素な飲食物が提供されるものに限る。以下同じ。)において、利害関係者から記念品の贈与を受けること。

(3) 職務として利害関係者を訪問した際に、当該利害関係者から提供される物品を使用すること。

(4) 職務として利害関係者を訪問した際に、当該利害関係者から提供される自動車(当該利害関係者がその業務等において日常的に利用しているものに限る。)を利用すること(当該利害関係者の事務所等の周囲の交通事情その他の事情から当該自動車の利用が相当と認められる場合に限る。)

(5) 職務として出席した会議その他の会合において、利害関係者から茶菓の提供を受けること。

(6) 多数の者が出席するパーティーにおいて、利害関係者から飲食物の提供を受けること。

(7) 職務として出席した会議において、利害関係者から簡素な飲食物の提供を受けること。

(8) 自己の費用を負担して利害関係者と共にゴルフをすること。

3 第1項の規定の適用については、職員(同項第12号に掲げる行為にあっては、同号の第三者。以下この項において同じ。)が、利害関係者から、物品若しくは不動産を購入した場合、物品若しくは不動産の貸付けを受けた場合又は役務の提供を受けた場合において、それらの対価がそれらの行為が行われた時における時価よりも著しく低いときは、当該職員は、当該利害関係者から、当該対価と当該時価との差額に相当する額の金銭の贈与を受けたものとみなす。

(私的な関係による禁止行為の例外)

第5条 職員は、私的な関係(職員としての身分にかかわらない関係をいう。以下同じ。)がある利害関係者との間においては、職務上の利害関係の状況、私的な関係の経緯及び現在の状況並びにその行おうとする行為の態様等に鑑み、公正な職務の執行に対する町民の疑惑や不信を招くおそれがないと認められる場合に限り、前条第1項の規定にかかわらず、同項各号(第12号を除く。)に掲げる行為を行うことができる。

(利害関係者以外の者等との間における禁止行為)

第6条 職員は、利害関係者に該当しない事業者等であっても、その者から供応接待を繰り返し受ける等社会通念上相当と認められる程度を超えて供応接待又は財産上の利益の供与を受けてはならない。

2 職員は、自己が行った物品若しくは不動産の購入若しくは借受け又は役務の受領の対価を、それらの行為が行われた場に居合わせなかった事業者等に、その者が利害関係者であるかどうかにかかわらず、その者の負担として支払わせてはならない。

(利害関係者と共に酒類を伴う飲食をする場合の届出)

第7条 職員は、自己の飲食に要する費用について利害関係者の負担によらないで利害関係者と共に飲食をする場合において、当該飲食が酒類を伴うものである場合は、あらかじめその旨を町長に届け出なければならない。ただし、やむを得ない事情によりあらかじめ届け出ることができなかったときは、事後において速やかに届け出なければならない。

(公共工事等発注担当者の倫理保持)

第8条 町が発注する建設工事、役務及び物品(以下「公共工事等」という。)における仕様書及び設計書の作成、予定価格及び最低制限価格の作成、入札及び契約の方法の選択、契約の相手方の決定並びに監督及び検査その他の公共工事等の発注に係る事務(以下「発注等事務」という。)を担当する職員(以下「公共工事等発注担当者」という。)は、発注等事務に関して、常に公正な職務の執行と透明性の確保に留意するものとし、町民の疑惑を招くことのないようにしなければならない。

2 町長は、公共工事等発注担当者の倫理の保持を図るために必要な事項について、別に定めるものとする。

(任命権者の責務等)

第9条 任命権者は、職員の職務に係る行為が町民の疑惑や不信を招くことがないよう、常に注意を喚起するとともに、公正な職務の執行の確保に資するため、職員に対する研修の実施、町民及び事業者等に対する周知その他の必要な措置を講じなければならない。

2 任命権者は、この条例に違反したことを理由として行った職員の懲戒処分について、職員の倫理の保持を図るため特に必要があると認めるときは、その概要を公表するものとする。

(管理監督職員の責務等)

第10条 管理監督職員は、管理監督者としての責務を自覚し、自らが率先して職員の模範とならなければならない。

2 管理監督職員は、この条例の遵守及び服務規律の徹底に関し、管理又は監督の対象となる職員に対する指導及び監督に細心の注意を払い、必要に応じて助言し、又は相談に応ずるものとする。

(松前町コンプライアンス審査会)

第11条 職員の倫理の保持及びこれに必要な体制の確立に資するため、松前町コンプライアンス審査会(以下「審査会」という。)を設置する。

2 審査会は、次に掲げる事項について町長の諮問に応じて審議し、その結果を町長に答申するものとする。

(1) この条例の規定を遵守するための必要な体制の整備に関すること。

(2) 職員の倫理の保持を図るための必要な措置に関すること。

(3) 公正な入札及び契約の実施のための必要な措置に関すること。

(4) 前3号に掲げるもののほか、この条例の円滑かつ適正な運用に関すること。

3 審査会は、委員3人をもって組織する。

4 委員は、学識経験を有する者のうちから町長が委嘱する。

5 委員の任期は、2年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

6 委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。

7 第2項から前項までに定めるもののほか、審査会の組織及び運営に関し必要な事項は、町長が定める。

(その他)

第12条 この条例に定めるもののほか、職員の倫理の保持に関し必要な事項は、町長が定める。

(施行期日)

1 この条例は、公布の日から施行する。

(松前町特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正)

2 松前町特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例(昭和43年松前町条例第15号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

松前町職員倫理条例

令和2年6月25日 条例第19号

(令和2年6月25日施行)